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『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』

『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―』

著者:森下典子
出版:新潮社/新潮社文庫
発行:2008年11月



「柳家小三治独演会」にて、
小三治師匠が枕のほとんどを使って熱心にお薦めされるので、
その日の帰り道にそのまま本屋に行って購入しました。
小三治師匠がこの本の単行本をとても気に入り朝日新聞に書評を載せたのを縁に、
文庫版の解説を小三治師匠が書いていらっしゃいます。
この秋に映画が公開されるのも含めて高座でよく宣伝をされているようで、
高座でこの本を朗読される事もあるとか。
その日は「時間がないから」と落語に入られたのですが、
ちょっと聞いてみたかったなぁ……

本の内容自体は著者が25年通っているお茶のお稽古についてのエッセイです。
特に明記はされていませんが出てくる内容からして表千家。
最初は嫌々始めたお稽古だったのが、
段々その意味が分かるようになり、また壁にぶつかり、また気付いて、
またお稽古に通う日々を活き活きと書かれています。

タイトルの『日々是好日』は『にちにちこれこうじつ』と読ませていますが、
「ひびこれこうじつ」「にちにちこれこうにち」と読む人も。
意味は「毎日が良い日」。
晴れたり、雨が降ったり、嵐が来たり、暑かったり、寒かったり、
落ち込んだり、泣いたり、笑ったり、いろんな日があるけど、
それでも「毎日が良い日」という意味です。

25年分のお稽古が単行本1冊にまとめられているので、
非常にテンポよく進んでいきます。
短い章立てに分かれているのでとても読みやすく、
軽やかな読後感でした。
お茶をやった事がある人とやった事がない人では、
読み方が違うと思うのですが、さて、どうでしょう?

秋に公開される映画版ではお茶の先生役を樹木希林さんがされるそうです。
是非見たい。


以下ちょっと面倒臭い感想。
ネタバレ含みます。

『太陽の石 月の石』

『太陽の石 月の石』

著者:樹川さとみ
出版:集英社/コバルト文庫
発行:1995年6月



わりと最近になって中古で買った1冊です。
というのも、この樹川さとみ先生の作品がとても好きでずっと集めていたのですが、
私が買い始めた時にはもう新品では流通しておらず古本屋に行く度に棚をチェックしても、
この1冊だけどうしても巡り会えず。
ついに思い余って普段は使わない某web書店で注文しました。
これでコンプリート! のはず。
途中で打ち切られてしまったらしい新書のシリーズが揃っているか、
ちょっと自信がないので今度調べておこうと思います…。

ネットで注文すると状態が分からないという事もあり、
予備というか保険というか……という感じで2冊購入してみたのですが、
1冊は「良品」、1冊は「帯付き良品」という表示。
正直、古い本だという事もありあまり期待していなかったのですが、
2冊とも帯付き初版が届きました。
なるほどあんまり売れてない本だとこういう事になるのか、と。
嬉しいんだかなんだか。
さすがに20年分の焼けはありますが思いの外状態も良かったです。

内容については今更言うまでもなく。
樹川作品ならなんでも来いなので私が今更どうこう言うような事ではなく。
ただ他人様に薦めるのであれば、
まずはやはり人気シリーズとなった『楽園の魔女たち』からお薦めします。
掛け値なしに面白いと私は思っていますが、
ちょっと文体に癖があるので人によって合う合わないはあるだろうとは思うので、
なかなか他人様にお薦めする機会も少ないのですが。

ところで、先生もう新作書かないのかなぁ。
寂しい。。。(´・ω・`)

『岸辺のヤービ 』

『岸辺のヤービ』

著者:梨木香歩
挿絵:小沢さかえ
出版:福音館/単行本/福音館創作童話シリーズ
発行:2015年9月9日



梨木さん久しぶりの児童書です。
外箱付き。
カラーページ付き。
児童書として美しい装丁がお値段に反映されていて嬉しいやら何やらです。

対象年齢が低いので心臓を捕まれるようなぐっとくる描写はないものの、
安心して読める内容が嬉しかったりもします。
ただやはり主題は梨木さんらしいもの。
私は梨木さんが持っている「テーマ」についての事前知識があるのですが、
先入観なしに読んだら印象が違うのでしょうか……

意図されたものなのか分かりませんが、
語り部であるウタドリさんずっと男性だと思っていたら、
最後の最後女性だという描写が出て来てちょっと虚を突かれました。
それこそ先入観なのだと思いますが。

昔話にありがちな「それはまた別の話」的なフリがいくつかあるのですが、
実際に続きがありそうな文章もあり。
シリーズになる……のかな?
調べれば分かるのだと思いますが近年そういう付き合い方は止めているので。
のんびり新刊情報を待ちたいと思います。

『禁断の魔術』

『禁断の魔術』

著者:東野圭吾
出版:文藝春秋/文庫本
発行:2015年6月15日



「ガリレオ」シリーズの最新作の文庫本。
同名の単行本が出ているようですがそちらは短編集で、
その単行本に収録されている内の1編を加筆改稿して長編としてまとめのが、
この文庫本という事のようです。
普段は同じ作家さんの小説しか読まないので久しぶりに違う小説が読みたくなって、
本屋で平積みになっていたのでなんとなく手に取りました。
ガリレオはドラマから入って原作も数冊読んでいて、
なんて言えばいいのか、ドラマも小説もどちらも好きなんですが、
どちらもちょっと「惜しい」印象。

私にとって東野圭吾はどうしても地味な印象で、
今作の読了感もあまりすっきりしたものではありませんでした。
面白くない訳ではないのですが、
あまり盛り上がる場面もなく淡々とエピソードを積み重ねて、
終わっていく感じがちょっと物足りない。
時にそれが良い場合もあるのですが今回は特にあまり感情移入できる場面がなく、
終わり方もあっさりと終わってしまった印象でした。

ドラマ化されてから「ガリレオ」こと湯川先生のイメージが、
原作であるはずの小説版でもドラマの湯川先生に沿ったものになっているため、
初期の作品から読んでいると整合性がとれずイマイチすっきりしません。
初期の湯川先生は佐野史郎氏がイメージだったそうですが、
現在の湯川先生は完全に福山雅治氏です。
なかなか脳内でこのギャップが埋まりまらないのです。。。(´Д`)

あまり褒めていない感想文になってしまいましたが、
ずっと追い掛けるほど私の好みにはまっている訳ではないのですが、
それでもたまに読みたくなる不思議な作家さんです。
ガリレオシリーズも全部は読んでいないので文庫本は揃えたいなーとちょっと思ってます。

『夜中にジャムを煮る』

『夜中にジャムを煮る』

著者:平松洋子
出版:新潮社/単行本/文庫本
発行:2008年2月7日/2011年11月28日



私の好きな全く違うジャンルの作家さん2人が、
それぞれの著作の中でこの本について触れられていて興味を持ちました。
平松洋子さんの名前自体は見た事あるかな? という程度で、
それまで著書は読んだ事はなく。
この本の内容もあまりよく分からないまま2人の作家さんの文章とタイトルに心惹かれて、
本当は単行本で探していたのですが、
買おうかどうしようかと悩んでいる内に買いそびれてしまい、
それから大分経ってから文庫版が出ている事を知って文庫本で購入しました。

食べ物に関するエッセイ集で、感想としては「美味しそうな本」でした。
ただなんとも言えない空気感があって、
日々の食事をこんなにも楽しく美味しく向き合えたらどんなに素敵だろう、と。
私はわりと日々の食事に関して興味が薄いので、
いつかこんな風に向き合えるようになれたいいなーという憧れのような気持ちがします。
特別な物を食べようとかそういう事ではなく、
本当に日々の普通の食事を無理なく美味しく食べたいという事が主題です。
それだけの事なのに私の手は届かないもどかしさもありながら、
ただ、私も夜中にジャムを煮るのです。
タイトルになっているその時間だけは少し共有出来る気がしました。

ところで、前述したこの本を紹介されていた作家さんの1人というのが、
私が日頃から好きだと公言している梨木香歩さんなのですが。
エッセイ集の中でこの本のタイトルが出て来たのは覚えていたものの、
どの本のどういう内容で……という部分は思い出せず、
どんなんだっけ? と思っていたところ。
文庫版の解説として梨木香歩さんの該当エッセイがまるごと収録されていて、
この本を巡る縁がぐるっとまわって繋がった気がしました。

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