『夜中にジャムを煮る』
著者:平松洋子
出版:新潮社/単行本/文庫本
発行:2008年2月7日/2011年11月28日
私の好きな全く違うジャンルの作家さん2人が、
それぞれの著作の中でこの本について触れられていて興味を持ちました。
平松洋子さんの名前自体は見た事あるかな? という程度で、
それまで著書は読んだ事はなく。
この本の内容もあまりよく分からないまま2人の作家さんの文章とタイトルに心惹かれて、
本当は単行本で探していたのですが、
買おうかどうしようかと悩んでいる内に買いそびれてしまい、
それから大分経ってから文庫版が出ている事を知って文庫本で購入しました。
食べ物に関するエッセイ集で、感想としては「美味しそうな本」でした。
ただなんとも言えない空気感があって、
日々の食事をこんなにも楽しく美味しく向き合えたらどんなに素敵だろう、と。
私はわりと日々の食事に関して興味が薄いので、
いつかこんな風に向き合えるようになれたいいなーという憧れのような気持ちがします。
特別な物を食べようとかそういう事ではなく、
本当に日々の普通の食事を無理なく美味しく食べたいという事が主題です。
それだけの事なのに私の手は届かないもどかしさもありながら、
ただ、私も夜中にジャムを煮るのです。
タイトルになっているその時間だけは少し共有出来る気がしました。
ところで、前述したこの本を紹介されていた作家さんの1人というのが、
私が日頃から好きだと公言している梨木香歩さんなのですが。
エッセイ集の中でこの本のタイトルが出て来たのは覚えていたものの、
どの本のどういう内容で……という部分は思い出せず、
どんなんだっけ? と思っていたところ。
文庫版の解説として梨木香歩さんの該当エッセイがまるごと収録されていて、
この本を巡る縁がぐるっとまわって繋がった気がしました。
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