+閉
とはいえ。
タイトルから抱いた期待とは相反して、
あまり私の嗜好には合わず。
そもそも梨木先生の本に関しては、
内容をほぼ確認せずにとりあえず購入するので、
内容が分からないまま読み始めるのですが。
土地の名前の由来に関するエッセイ集でした。
考察の内容自体は興味深いのですが、
なにしろ土地勘がない。
地図と見比べながら読めばまた違うのかもしれませんが、
それは読書か……? という。
ところどころ興味のある話題も出てきて、
それを頼りに読み進める感じでした。
なぜこの土地はこんな名前なのか。
この土地は昔はこんな場所だったのに、
今はこんなに変わってしまった。
人間が土地や自然に与える影響とは。
……というようなことが、
恐らく梨木先生の関心事として日常にあり、
そこから思考した過程。
いろいろ思うところはあるのですが。
あまり私には合わなかったかな、というのが、
率直な感想でしょうか。
決して面白くないわけではないのですが。
読み進めていく内に、
ページの間から小さな紙が、ひらっ、と落ちました。
栞か何かと思っって広いあげると、
それは挟んであったページに関する訂正と謝罪文。
そこに書かれた土地に関する記述が間違っていたという、
その土地に関わる方にとってはデリケートな内容。
初版第1刷だったので、
本当にギリギリに気付いて差し込まれたようです。
一度は校閲をすり抜けてしまった内容に、
いつ誰が気が付いたのか。
作者や担当者の冷や汗が思い浮かびます。
+閉
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